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安全性審査委員会(SRC)とは何ですか?メンバーは誰ですか?
米国におけるベオビュの市販後データと、第III相試験 (HAWK試験/HARRIER試験) のデータを比較検討するため、外部に安全性評価委員会 (SRC) を設立し、客観的かつ独立した科学的審査を実施して参りました。
SRCは、2つの異なる外部データモニタリング委員会から選出された、国際的網膜/ぶどう膜専門家、画像診断専門家、及び眼科専門家で構成されました。
安全性審査委員会(SRC)による分析は、以前に発表されたHAWK & HARRIER試験のデータとどのように異なるのですか?
これまでに発表されたHAWK & HARRIER試験のデータは、国際標準的の医学用語集の基本語を用いて試験期間中に治験責任医師から報告された有害事象に基づいています。
それに対してSRCによる解析は、第Ⅲ相試験 (HAWK試験/HARRIER試験) の眼内炎症関連症例のみをピックアップし、非盲検下で行われた事後解析となります。
安全性審査委員会(SRC)により報告された有害事象は、視力低下の増加をもたらしますか?
HAWK & HARRIER試験における96週目の中等度及び重度の視力低下(≥ ETDRS検査での15文字以上の低下)の総発現率は、ブロルシズマブ群(7.4%)とアフリベルセプト群(7.7%)の両群間で依然として同等でした。
SRCによる解析では、特に網膜血管炎及び/又は網膜血管閉塞に関連する中等度及び重度の視力低下の総発現率についても詳しく評価しました。
安全性審査委員会(SRC)による全解析結果は発表される予定ですか?
なぜ公表されている数値が異なるのですか?
今回議論されている有害事象に関するデータは臨床試験で得られたものと、市販後に先生方からご報告いただいたものがあり、この両者の間で差異が生じます。
臨床試験中では、すべての有害事象が治験担当医師によってデータベースに記録されたのに対し、 薬剤の発売後は、有害事象を患者、医師及びその他医療関係者の皆様から、当該製品を販売する企業(ノバルティス)及び/又は各国の保健当局に自発的にご報告いただけます。
治験担当医師、患者、医療関係者から報告された、診断、症状、徴候及び治験結果を、 国際標準の医学用語集を用いて一般化されますため、市販後データの情報と一部異なる場合がございます。
さらに、市販後報告システムには、過少報告、記録が不完全な症例、画像診断情報を伴わない症例などいくつかの制限があります。 また、一部の調査は進行中であるため、情報は変更される可能性があります。
報告された市販後有害事象はHAWK試験とHARRIER試験でも観察されましたか? なぜ今になって異なる用語を使用するのですか?
眼内炎症及び網膜動脈塞栓事象は、ベオビュの第III相試験 (HAWK試験/HARRIER試験)でも観察されました。
医療関係者及び治験担当医師によって診断又は観察された症例が報告されました。 臨床試験結果を当局へ提出する際、治験担当医より報告された有害事象名を、国際標準の医学用語集にある最も意味が近い用語に一般化して報告されております。
それに対して、市販後データでは医学用語集に記載されていない有害事象名が使用される場合もあります。 SRCとノバルティスは、市販後に報告された有害事象が、医学用語集における網膜血管炎、網膜血管閉塞であるという見解で一致しました。
有害事象を患者1人あたりでなく、注射10,000本あたりの数値で報告するのはなぜですか?
各患者が受けた注射数が治験担当医師によって記録される臨床試験とは異なり、リアルワールドの臨床使用において、製薬会社は薬剤の販売量は把握していますが、治療を受けた患者人数は把握できません。 そのため、ベオビュの市販後の事象発現率は注射10,000本あたりの数値として算出されます(薬剤販売量に基づく推定)。
HAWK試験及びHARRIER試験におけるブロルシズマブ関連の視力低下発現率を教えてください。
HAWK & HARRIER試験における96週目の中等度及び重度の視力低下(ETDRS検査での15文字以上の低下)の総発現率は、ブロルシズマブ群(7.4%)とアフリベルセプト群(7.7%)間で同等でした。
ブロルシズマブ群におけるこの中等度及び重度の視力低下(ETDRS検査での15文字以上の低下)の約10%は、網膜血管炎及び/又は網膜血管閉塞の徴候を有するIOI患者様で認められました。
網膜血管炎及び/又は網膜血管閉塞の報告は視力低下と関連していますか?
第III相試験(HAWK試験/HARRIER試験)において、眼内炎症を発現したベオビュ群の患者のうち、約22%で網膜血管炎および/または網膜血管閉塞の徴候が示され、それらは96週時点で15文字以上の視力低下が認められました。
2022年11日25まで実施されたベオビュの市販後調査では、網膜血管炎および/または網膜血管閉塞の27.8%において、視力低下も報告されました(視力検査報告に基づくノバルティスによる評価)。
眼内炎症、網膜血管炎または網膜血管閉塞が発症した場合どのようにすればよいですか?
先生方には、ベオビュ投与前に細隙灯顕微鏡検査または眼底検査等の画像検査を含む診察により、眼内炎症の兆候がないかをご確認いただくようお願いしています。 眼内にこれらの炎症の兆候が見られた場合、それ以上の眼内注射の投与は行わないようお願いいたします。臨床判断に従って眼内炎症を治療してくださいますようお願いいたします。 患者には、視力低下あるいは眼痛、浮遊物、違和感、または眼球充血等の炎症の兆候に気付いたら、直ちに医師に連絡するようご指示ください。RV及び/又はROの有害事象を発現した患者では、ベオビュによる治療を中止する必要があります。
有害事象がみられた場合または疑われる場合は、弊社MRへのご連絡をよろしくお願いいたします。
網膜血管炎、網膜血管閉塞、網膜動脈閉塞、網膜閉塞性血管炎の違いは何ですか?
これらの用語の定義は以下のとおりです。 病変部位や炎症の程度によって、これらの症状はいずれも重度の視力低下に至る可能性があります。
網膜血管炎: 網膜血管の炎症。 単独で網膜血管炎と診断されることもあるが、眼内炎症の一部、または全身性の炎症疾患の一部として診断されることもあります。
網膜血管閉塞: 網膜への血流を担う小血管の閉塞。血液やその他の滲出液を増大させ、網膜が適切に機能することを阻害することで突如視力低下を引き起こす可能性があります。
網膜動脈閉塞: 炎症を含めた様々な原因により生じる網膜動脈の閉塞。網膜血管閉塞の一部です。 網膜血管閉塞の一部である。
網膜閉塞性血管炎: 炎症による網膜血管の閉塞。 閉塞性網膜血管炎とも呼ばれる。 医療従事者によりこの名称で報告される場合もありますが、国際標準の医学用語集(MedDRA/J version 20.1基本語)には掲載されていないため、代わりに網膜血管炎および/または網膜血管閉塞という用語を使用しています。
2020年内に処方情報を改訂した理由
医療関係者及び患者様に利用可能な情報が弊社の最新の理解を反映していること、また十分な情報に基づいた判断を下すために必要な情報が含まれていることを確実にするために、有害事象の特徴の中にIOIのスペクトラムの一部として、網膜血管炎及び網膜血管閉塞を含めるように、添付文書の改訂を2020年内に完了しました。
米国食品医薬品局(FDA)により、ベオビュ処方情報(PI)の改訂が2020年6月9日付で承認されました。 改訂により、改訂前の処方情報に注意事項として記載されていた眼内炎症の一部として網膜血管炎及び網膜血管閉塞が追記され、その有害事象の特性が明記されました。
欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会(CHMP)の肯定的見解に基づいて、欧州医薬品庁(EMA)によりベオビュ製品概要(SmPC)の改訂が2020年9月9日付で承認されました。 欧州添付文書の改訂により、多くは眼内炎症(IOI)の存在下で認められる網膜血管炎及び/又は網膜血管閉塞について特記した副項目が追加されました。 添付文書には、これらの事象が生じた患者は治療を中止し、事象に対する迅速な対応を行う必要があることが注記されています。
スイス医薬品局(Swissmedic)により、ベオビュPIの改訂が2020年6月12日付で承認されました。 スイスのPI改訂により、ベオビュの使用に伴う網膜血管炎及び/又は網膜血管閉塞が報告されたことが記載されました。 症例の大半において眼内炎症も認められた事も併せて記載されました。
オーストラリア保健省(TGA)により、ベオビュPIの改訂が2020年6月25日付で承認されました。 オーストラリアのPI改訂により、ベオビュの使用に伴い網膜血管炎及び/又は網膜血管閉塞が報告されたことが記載されました。 随伴症状として眼内炎症が報告されていますが、全症例ではありません。 全症例の治療歴が報告されているわけではありませんが、一部の患者様には硝子体内注射用VEGF阻害剤による治療歴がありました。
日本において、2020年7月13日に本件に関する添付文書の改訂が行われ、 添付文書改訂に伴い、 重要な基本的注意の事項に「網膜血管炎」及び「網膜血管閉塞」が追記されました。ベオビュの使用に伴うこれらの事象が報告されています。
2020年9月30日、カナダ保健省によりベオビュの製品情報の改定が承認されました。この改定において、ベオビュの使用に伴い、「網膜血管炎」及び/又は「網膜血管閉塞」が、多くは眼内炎症(IOI)存在下において、報告されたことが記載されました。